週刊ベースボールONLINE

藤井秀悟 投手 #00

フォア・ザ・チームを胸に

 

 プロ14年目で、まばゆい輝きを放っている。藤井秀悟は春季キャンプから抜群の投球を披露し続け、ヤクルト時代の2002年以来となる開幕投手を任された。チームは期待の若手が伸び悩み、先発陣がコマ不足となっている。人的補償で巨人から移籍した昨年から、救世主としての存在感は抜群だ。

 オフにはハワイでWBC日本代表の前田健(広島)と合同自主トレを行った。相手が年下であろうと、何かを吸収しようとする姿勢はまさに向上心の塊だ。開幕から何とか先発ローテに食い込もうという必死の取り組みが、シーズン開幕後のマウンド上での好結果に結び付いている。

「チームの代表として恥ずかしくない投球をしたい」と気合十分で臨んだ中日との開幕戦(ナゴヤドーム)は吉見と投げ合い、6回2失点でチームに勝利をもたらした。さらに4月まで登板した5試合すべてでチームは白星を飾った。圧巻は27日の阪神戦(横浜)だ。

 今季チームワーストの4連敗を止め、さらには自身が持っていた連続完投なしのプロ野球記録も107で止めた。最後は肩で息をしながらの134球の力投に「みんなに助けてもらいながら、何とか、ふがいない記録を止めることができて良かった」と胸を張った。自身の完投勝ちは02年5月29日の巨人戦以来となる11年ぶり。投手陣でも今季初めての完投となり、開幕からフル回転していた中継ぎ陣に休息をもたらした。

「自分が勝てば喜びは倍増するけれど、チームが勝つことに喜びを見いだしている」と左腕はフォア・ザ・チームの精神を強調する。初のクライマックスシリーズ進出を目指すチームをけん引していく。

オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング