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J.ソーサ投手 #53

100パーセントの力で勝利へ導く

 

 身長188センチ、体重100キロの恵まれた体から投げ下ろす剛球は対戦相手の反撃意欲までをも削いでしまうかのような迫力を持つ。中日から移籍したソーサは山口につなぐセットアッパーとしてフル回転を続け、周囲の期待にたがわぬ活躍を見せている。「グラウンドで自分の力を100パーセント出して、チームの勝利に貢献したい。必ず最高の試合を見せる」。チーム一の速球を投げる右腕の口調はいつも自信にあふれている。その言葉どおりに、開幕から持てる実力をいかんなく発揮してきた。

 昨季53試合で防御率1.85をマークしたソーサの加入によって、中畑監督は春季キャンプからダブルストッパー構想を掲げた。昨年まで抑えを務めていた山口との競争意識をあおり、相対的にはブルペン陣の底上げをも狙った。さらには8、9回を任せられる両右腕が控えることで、ベンチはより勝ち試合を計算しやすくなるなど右腕の加入はチームに大きな副産物をもたらした。

 今季は5月16日現在で17試合に投げて1勝1敗1セーブ、防御率は2.04。走者を背負ったピンチでの登板やイニングまたぎなど、活躍の幅は大きい。緊張感漂う場面でも150キロを超える直球を武器に打者をねじ伏せ、豪快なガッツポーズを繰り出してきた。山口につなぐシチュエーションがバラエティーに富むのは、ベンチからの信頼の裏返しだ。

 チームは初めてAクラスで交流戦に突入するなど、近年にはなかった粘りを発揮し上位に食らい付いている。「ベイスターズは、必ず日本シリーズに進出できる力があると信じています」。入団会見で語った言葉を実現させるためにも、右腕は黙々と腕を振り続ける。

オーロラビジョン

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