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今江敏晃 内野手 #8

快進撃の立役者

 



 苦境から立ち直り、今や打線の中核を担っている。一時、打率1割台にまで落ち込んだ今江敏晃が四番を務めるまでに復調した。5月19日の広島戦(QVCマリン)では強烈な2号ソロを放った。「しっかり自分のスイングができた。完ぺきでした」と自賛した。中心打者に穏やかな笑みが戻りつつある。

 4月27日のソフトバンク戦(同)。2対2と追いつかれた直後の3回一死満塁。今江の左翼線への二塁打で3点を勝ち越した。不振に苦しんでいた29歳はガッツポーズし笑みを浮かべ、ベンチに向かって力強く腕を突き上げた。「僕の中ではすごく大きかった」と振り返った。試合前の打率は2割を切っていたが5回にも強烈な二塁打を放ち、2安打。伊東監督は「ウチは彼が中心となって引っ張ってもらわないと、シーズンを戦えない。ゴリ(今江)の笑顔を見て久しぶりにベンチもホッとした」と表情が緩んだ。

 トンネルから抜け出した今江はここから安打を重ね、打率を上げていく。クリーンアップを任されるようになり、5月12日の楽天戦(同)では3対4とリードを許した直後の9回二死満塁から、3年ぶりのサヨナラ打となる右越え二塁打で一気に2点を奪って逆転勝ちした。中心選手の復調と歩調を合わせるかのようにチームも白星を重ね、首位に立った。

 5月15日の巨人戦(東京ドーム)では12シーズン目、1096試合目で初めて四番を務めた。「二軍でも打っていましたし、何の違和感もないですよ。変わったのは記者の人によく聞かれるくらいかな」と笑って話す。明るい笑顔を持つ29歳の打棒がロッテの快進撃を支えている。

オーロラビジョン

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