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馬原孝浩 投手 #20

完全復活が待たれる元セーブ王

 



 早期復帰を目指し馬原孝浩がもがいている。「キャッチボールも再開。遠投も80メートルぐらい投げられているので、あとはしびれが取れるのを待つだけです」。キャンプイン直前にソフトバンクにFA移籍した寺原の人的補償としてオリックスに移籍した、通算180セーブ右腕は球団の二軍施設で復活へ向けた確かな手応えと、わずかな不安を交錯させていた。

 歯車が狂ったのはシーズン前のオープン戦だった。宮古島春季キャンプでは連日ブルペン入りし、12年に手術した右肩の好調をアピール。150キロに近い直球を投げ完全復活を予感させていた。だが、3月5日のヤクルト戦(京セラドーム)に登板した際に、右腕の脱力感を訴え降板。同6日に受けた精密検査の結果「右鎖骨下における腕神経叢(わんしんけいそう)の炎症」と診断された。自宅休養後は、リハビリ組としてチームを離れ、神戸市内の室内練習場で体を動かすことになった。

 4月17日に二軍本隊に合流し練習に参加。そして5月上旬から本格的なキャッチボールを再開した。手術した右肩に違和感はまったくない。痛みもなくボールを投げられるが、神経を圧迫されることで起きる右腕のしびれだけが取れない。不安要素はそこだけだ。

「投げようと思えば140キロぐらいなら投げられるけど、完全に治して戻らないと迷惑をかけるだけなんで。しびれさえ取れれば(一軍のマウンドへ)早いと思います」。今の目標は前半戦までに復帰すること。チームは交流戦で好調をキープし勢いも出てきた。平野佳、佐藤達の速球派コンビが勝利の方程式として確立しているが、元セーブ王が復活すればより盤石なリリーフ陣が完成するはずだ。
オーロラビジョン

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