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相川亮二 捕手 #2

帰ってきたベテラン正捕手

 



 頼れるベテランが戻ってきた。36歳の司令塔・相川亮二だ。4月6日のDeNA戦(神宮)でブランコと本塁で交錯し、左肩鎖関節の亜脱臼で離脱。全治2カ月の診断を受けていたが、約10日早い5月25日のソフトバンク戦(神宮)で復帰した。翌26日の同カードでは前日に続き代打で登場。中前に復帰後初安打を放った。「準備はずっとしてきた。完璧に治ったわけではないが、プレーには支障がない状態。患部の不安が取れたのが一番」と何度もうなずいた。

 亜脱臼だけではなかった。左肩の関節唇も状態が悪く、肩に水がたまっていた。「僕自身は2、3週間で(一軍に)戻ってやろうと思っていたけど、まだまだダメという日々が続いた。治るかどうか正直不安だったし、とても長く感じた」と当時の心境を吐露した。離脱中のチームは低迷。何もできない歯がゆさも感じたが、ナインの戦いをテレビを通じ、見守っていた。石川らと近況を報告し合い、励ましの言葉も掛けたという。

「ラストチャンスと思っている」。昨季は中村が台頭。定位置が約束されていない危機感を抱き、取り組んできた。5月28日のオリックス戦(神宮)では3安打をマークし、プロ272人目の通算1000安打を達成。6月5日の楽天戦(神宮)の6回には同点の1号2ランを左中間スタンドに運び、この回打者13人、10安打8点の猛攻を演出した。「ホームランはたまたま。そのあとに、みんながよくつないだし、感謝しています」。決して前には出ようとしない、まさに縁の下の力持ち。チームの快勝にも、「まだまだ返さなければいけないものが、たくさんある。全員でしっかり返したい」と巻き返しを誓った。
オーロラビジョン

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