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ソフトバンクの携帯電話事業は「つながりやすさNo.1」を標榜する。その意味で、交流戦中盤からの打線はポリシーに忠実になった。象徴的なのは6月3日、本拠地・ヤフオクドームでの
阪神戦での大勝(12対0)だ。一時の貧打がウソのように、13安打を見舞った打線に、秋山監督は「つながりが良くなってきているんじゃないか」とご機嫌だった。
打線爆発の要因は、個々の状態が上がったことに加え、オーダーが固まったこと。中でも五番に座る
長谷川勇也の存在が大きい。一番に堅実な中村を置き、二番がつないで、三番・内川、四番・松田の上位が固定されつつある。ラヘアの状態が思うように上がらず、ペーニャに至っては二軍落ちという中で、一番を任されることが多かった長谷川が、ポイントゲッターとして機能している。打順にさほど興味はないが、「価値のある打点が増える。結果的に得られる喜びが大きい」とやりがいを感じている。
6月3日の大勝も、エース級を打ってのものだけに価値があった。5月31日に
バリントン、6月1日に前田健。直前カードで
広島の両右腕を粉砕したのに続き、試合前までセ・リーグトップの防御率1.72を誇っていた元同僚・
スタンリッジを打ち砕いたのだ。3回までは我慢が続いたが、4回に集中打を浴びせた。敵失にも乗じた無死満塁から長谷川、ラヘア、柳田、今宮が4連続で適時打。今季最多タイの1イニング6得点で、スタンリッジをKOした。
ここから白星を積み重ね、13日には交流戦優勝も決めた。交流戦前までの借金生活も一転。そのきっかけとなった五番打者が、後半戦の戦いのカギを握る。