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畠山和洋 内野手 #33

球団初の逆転満塁サヨナラ弾

 



 まさに起死回生の一撃だった。5月17日のロッテ戦(神宮)の9回無死満塁。2対5と3点を追う場面で打席に入ったのは畠山和洋だった。カウント2ボールからの3球目。松永が投じたツーシームを思い切り振り抜いた。低い弾道を描いた打球は左翼席最前列へと飛び込み、チームの連敗を6で止める逆転満塁サヨナラ本塁打。「ピッチャーはスライダーに自信を持っているらしく、スライダー1本で待っていた。外角へボール、ボールとなったので、中に入ってくるなと考えていた。(ツーシームだったが)甘く入ってきたのでしっかり打てた」と笑顔を見せた。プロ初のサヨナラ打は自身5本目となる満塁弾で、劇的な勝利をつかんだ。球団のサヨナラ満塁弾は01年の稲葉以来4人目、逆転は球団初。「3点差なので勝つことを考えると犠飛でも、ボテボテのゴロを打ってもダメ。打つか、四球でもいいし、変にボールを追いかけずに待っていた」。決めるというよりも、始めはつなぐ気持ちだった。ボールが2球続き打者有利になり、「結果を考えずに思い切りいこう」と意識を変更。それが好結果へとつながった。

 この日は先発の石川が3回までに3本塁打を被弾。バレンティンの12号2ランで1点差に詰め寄ったものの、7回にこの回から代わったばかりの2番手・ロマンが適時打と押し出し四球を与え、再び突き放される苦しい展開だった。小川監督は「本当によく打ったの一言に尽きる。石川がホームランを3本打たれた後は粘っていて、交代させたら失点。俺のミスで申し訳なかったが、畠山に救われた」と主砲の活躍を手放しで称賛。4番手で登板し、1回無失点に抑えた正田に8年ぶりの白星も付いた。
オーロラビジョン

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