ランディ・メッセンジャーの去就が注目されている。今シーズンで契約が切れることで、メジャー・リーグの球団スカウトがネット裏で調査を続けていた。それほど来日4年目のパフォーマンスには目を見張るものがあった。
「今年は三振とイニング数にはこだわってきたつもりだ。シーズン前半戦は三振を取れなかったし、点も取られた。でも途中から修正できたから試合が進むごとに安定してきた」
リーグ戦最終登板となった10月4日の
ヤクルト戦(神宮)では7回を投げて7三振を奪った。30試合登板で計183三振を記録。歴代の
阪神外国人では史上初の奪三振王を獲得した。イニング数も196回1/3まで伸ばした。
最終戦では
バレンティンに右越えに60号本塁打を献上してしまった。だが、本人はストレート勝負に「彼に浴びた初めてのホームラン。でも自分にとってはグレートなピッチング。脱帽するしかない」と納得した様子だった。
今季の傾向としては球数の多い日も目立った。9月17日の
広島戦(マツダ広島)では、白星はつかなかったが7回で来日最多150球を投げた。9月に1勝しかできなかったのも打線の援護に恵まれなかったからで内容は安定していた。
何より投球フォームが固まって制球力が高まったのが活躍の要因である。12勝(8敗)止まりも、和田監督が「打線の援護があれば2、3勝は上乗せできていたはず」と最多勝のタイトルも狙えるぐらいだった。
5年目のシーズンは確約されていないメッセンジャーだが「自分の仕事をして、チームの勝ちに貢献する気持ちは変わらない」と闘争心は萎えていない。