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武田健吾 外野手 #56

来季の飛躍を予感させた最終戦マルチ安打

 



 高卒ルーキー・武田健吾が内容の濃いプロ1年を過ごした。「二軍で多くの経験をすることができた。たくさんミスもあったが通用する部分もあったので少しは自信になりましたね」。昨年、福岡・自由ケ丘高からドラフト4位で入団してきた武田は充実した表情を見せた。二軍では97試合に出場。打率.252(325打数82安打)、4本塁打、42打点。高卒1年目にしては十分な成績だ。

 高校時代は地元のスターをほうふつさせる強肩強打の外野手で「新庄2世」の異名も取った。プロ入りし、体の線は細かったが首脳陣が素質に惚れ込み強化指定選手に指名された。二軍で実戦を積み、7月8日にはQVCマリンで行われた指名練習で一軍に初合流。選手登録は見送られ2日間でファームに戻ることになったが「良い経験ができた。緊張しました」と雰囲気を楽しんだ。

 そして10月12日に一軍昇格。同日の楽天戦(Kスタ宮城)で初スタメンを果たすと、13日の同戦では1点リードの5回、内角直球にバットを出すと打球は中前に落ちた。さらに高いバウンドに中堅手がジャンプで処理するのを確認すると、すかさず二塁を陥れた。プロ5打席目で放った初安打に「素直にうれしかったです」と笑みがこぼれた。続く打席でも左安打を放ちマルチを記録した。

 今季最終戦で躍動した若武者を森脇監督も「来季につながる試合だった」と称賛した。オリックスの外野陣は糸井、坂口、T-岡田ら実力者が名を連ねる。強力なライバルたちに19歳のルーキーは「すぐに超えることはできないけど、何とか食らいついていきたい。来年の目標は一軍スタート」と目を輝かせた。
オーロラビジョン

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