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加藤翔平 外野手 #65

シーズン、CSで初打席初本塁打

 



 この男、間違いなく「持っている男」だ。ドラフト4位ルーキー・加藤翔平。“幕張の翔平”のニックネームが何度も新聞紙面上を賑わした。

 今季は一軍で23試合に出場し、打率.154。数字だけを見るともの足りないが、インパクトは「優・良・可」で表すなら「優」をもらってもいいだろう。「自分はまだまだ一軍レベルじゃないのに1年目からチャンスをもらっている。本当に幸せです」

 俊足、強肩、巧打のスイッチヒッター。春季キャンプで伊東監督が「秋山(ソフトバンク監督)のような選手になれる」と、抜群の身体能力に目を丸くしたほどだ。

 一軍デビュー戦となった5月12日の楽天戦(QVCマリン)でいきなり球史に名を刻んだ。「七番・右翼」でスタメン出場すると、3回のプロ初打席で初球本塁打。あまりにも鮮烈すぎるデビュー弾だった。さらに内野安打2本を放ち、猛打賞デビューを飾った。

 ほどなくして二軍に降格したが、初出場の7月18日のフレッシュオールスター(秋田県立野球場)では6回の先制2ランを含む3安打の活躍。最優秀選手にも選ばれた。イースタン・リーグでは32盗塁、129安打、70得点で、いずれも部門トップに立った。

 西武とのCSファーストステージでも「初打席男」の本領を発揮。8回二死一、三塁。代走で出場した直後のCS初打席で打球を右翼席に上段まで運んだ。「初打席は意識していない。打った後に、また初打席だと気付きました。でも、舞台が大きいほど燃えますね」

 まだまだ荒削りな22歳。一軍定着とはいかずとも、将来性を知らしめるには十分なルーキーイヤーだった。
オーロラビジョン

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