週刊ベースボールONLINE

濱田達郎 投手 #43

もがき続けるビッグ3

 



 阪神・藤浪は2ケタ勝利を挙げ、CS初戦の先発を任された。日本ハム・大谷は、投手としても打者としても非凡な才能を証明してみせた。高校時代は“ビッグ3”と騒がれた。ディープなファンですら、忘れそうになっている残り一角とは……。愛工大名電高から中日にドラフト2位で入団した濱田達郎だった。

 1年目の一軍戦登板はなし。Bクラスが確定した後で、経験を積ませるための昇格が検討された。が、見送られたのは制球難が理由だった。二軍では20試合に投げ、2勝8敗、防御率6.39。8敗はリーグ最多タイ、自責点62はリーグ最多だった。87回1/3を投げ、被安打89。打たれたのは仕方ないとしても、与四球62はファーム両リーグ合わせてワースト。与死球11もリーグ最多だった。

 フォームが完全に崩れてしまったのが極度の制球難を招いた。何とか立て直そうと向かったみやざきフェニックス・リーグでは10月10日のDeNA戦(綾町)で先発したが、2イニングで6安打、4四死球の6失点。降板後にブルペンへ直行し、試合と合わせて300球近くを投げ込んだ。

「全然ダメでした。やろうとしていることが、試合で出せませんでした」とガックリ。伸び悩む濱田に、球団も懸命のサポートを試みている。11月下旬から1カ月、台湾で開かれるウインター・リーグへの派遣を決めた。日本の6球団からの選抜メンバーの一員として、中日からは4選手が参加。台湾、韓国、ドミニカ共和国の4チームでリーグ戦を戦う。

「たくさん実戦で投げられればと思います。絶対にいい経験になるはずなので」。出遅れたビッグ3が、もがいている。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング