明らかな成長を見せている。来日2年目のオセ
ゲラは課題を克服して現れた。2月16日の紅白戦だ。白組の先発マウンドに立った左腕は2回一死一塁、昨季12盗塁した長谷川の二盗を拓也とのコンビで阻止してみせた。昨季までのアーム式のモーションは、今季、他球団の格好の餌食になると思われていた。「アメリカでは野球経験者の兄弟に手伝ってもらって(クイックモーションの)練習をしたよ」。オフもシーズン終了と同時には帰国せず、チームの秋季練習に参加し、課題の克服に取り組む真面目助っ人だ。
ただ、意気揚々と再来日した2年目には、さらに大きな難題が待ち受けていた。チームは
阪神から
スタンリッジ、
日本ハムからウルフと実績十分な先発候補の両右腕を獲得した。抑えには前
西武の
サファテと新戦力だけで投手の外国人枠は埋まってしまった。「補強はあまり知らなかった。(来日する)空港でサファテと会って知った」と最初はオセゲラ自身、驚きを隠せなかった。春季キャンプはA組(一軍)スタートしたものの、2月23日の西武戦(アイビー)では3回4安打3失点。キャンプ終了後、二軍合流が言い渡された。
開幕ローテーションは絶望的になったが、地道に雁の巣球場に通い、課題克服に努める姿がある。メジャー通算108勝の実績の半面、プライドの高さが足かせとなった昨季の
パディーヤとは違う。オセゲラは名門UCLAを卒業した秀才。今やるべきことを冷静に自己分析できる。加えて底抜けに明るい性格。悩みはないのかと尋ねると「髪の毛が薄くなってきたから、モヒカンがあとどれくらいできるかだね」と代名詞となった髪形をいじりながら、笑った。