3点リードの9回、二番からの好打順をわずか9球で3者凡退に仕留めた。
キャム・ミコライオは5月5日の
DeNA(マツダ
広島)でも抜群の安定感を披露し、リーグ最速で10セーブ目を記録した。「抑えは特に安定感が大事だと思っているからね」と話すとおり、防御率は同日時点で0.73。カープ快進撃の土台を担っている。
完璧なスタートを切ったわけではない。今季3試合目の登板は4月2日の
ヤクルト戦(同)だった。ドラフト1位・大瀬良がデビュー戦で7回2失点と好投し、1点リードで迎えた9回にマウンドへ。1回を3安打1四球1失点で同点とされ、ルーキーのプロ初勝利を消し去った。試合後は申し訳なさそうに直接謝る姿があった。
大瀬良が満を持してプロ初勝利を挙げた4月16日の
阪神戦(同)では、2点リードの9回1イニングを3者凡退に仕留めて6セーブ目。「チームにとっても大瀬良にとっても、素晴らしい1日だった」。胸のつっかえが取れ、勢いはさらに加速した。
来日1年目の12年は防御率2.79で21セーブ。昨季は防御率2.04で27セーブと、年々、成績を向上させている。松田オーナーはクローザーの残留交渉がまとまった際、「現場から、絶対残してくれと言われていたからな」と説明。首脳陣の信頼は厚く、1年契約で迎える3年目も期待大だ。
5月23日には第2子となる長女が誕生する予定。「(アメリカへ戻っている)妻とは毎日2、3回は電話しているよ」。誕生前後は産休を取って、一時帰国する予定。かけがえのない充電期間を経て再来日した後は、再びゼロを積み重ねてくれるはずだ。