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西川遥輝内野手・才能開花へ、あがき、苦しむホープ

 



 眠れる才能をいつ解き放つのか。西川遥輝が山あり谷ありのシーズン序盤を過ごしている。4年目の今季は開幕から不動のレギュラーの一人だ。二、三番の上位打線に固定されていることからも、栗山監督ら首脳陣、球団側の期待の高さがうかがえる。打率は.231(5月14日現在)で、すでに自身最多の5本塁打を放っているが、伸び悩み、壁にぶつかっている。

 ブレーク寸前だった昨季は故障でシーズン中盤以降を棒に振った。今年は決意と覚悟を固めて勝負と位置づけている。やや手薄な外野ではなく、二塁手として定位置奪取に挑むと決め、春季キャンプに突入した。ライバルは同世代の中島ら多数。白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当の指導の下、狙いどおりにポジションをつかみとって球春を迎えた。

 発展途上で粗さも残る守備を差し引いても、評価が高かったのが天性の打撃センス。その特長を生かせず、もがく日々が続いている。三番打者としても起用されるだけに、チャンスでの低迷が深刻だ。5月14日現在で得点圏打率.162では、クリーンアップとして心許ない。打線全体に与える影響も大きく、陽岱鋼、中田のような看板打者への育成が球団の狙いだが、予想以上につまずいている。

 今季は新打線の起爆剤と期待され、今後も不動のレギュラーとして起用される方針のようだ。責任を痛感しており「期待に応えられなくて申し訳ない」と歯がゆさを隠せないが、打破するのは自力以外にない。他球団からも将来的にはパ・リーグのスターになる可能性を秘めると目されている。もがき、苦しむのは誰もが通る道。乗り越えた先に、本物の力が備わる。
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