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A.ジョーンズ外野手・V2のカギを握る不動の四番

 



 上位浮上にはさらなる爆発が不可欠だ。絶対的主砲、アンドリュー・ジョーンズ。5月9日のロッテ戦(QVCマリン)の3回一死一、二塁で相手のエース・成瀬の直球をはじき返し、弾丸ライナーで左翼席へ放り込んだ。「いい球だったけど、芯でとらえて、振り抜くことができた」と納得の笑みを浮かべた。

 4月30日の時点で打率.172、6本塁打。星野監督は「打率が身長より低い。そのうち、体重になるんじゃないか」と言った。冗談でもないくらい不調が続いた。事実、ここまで借金生活のBクラス。主砲の状態に比例するように、チーム状況も芳しくなかった。

 ところが5月に入ると11試合で7本塁打(5月14日現在)。オリックスのペーニャと本塁打、打点でシ烈なトップ争いを繰り広げている。打率も2割中盤まで上げてくるなど、ここへ来て輝きを取り戻している。心がけているのはラインドライブ。左翼方向に鋭く速い打球がコンスタントに出るようになった。低い弾道でも、あっという間にスタンドまで届く。メジャー434本塁打の力は、やはりダテではなかった。

 昨年はマギーとの四、五番コンビでチームをけん引。1年を通して活躍したマギーに隠れてはいたが、終盤の存在感、勝負強さは際立っていた。終わってみれば打率.243ながら26本塁打、チームトップの94打点を記録した。

 復調気配の四番。それでも指揮官は「まだまだ。アイツが打っていたら今ごろ貯金してる」と厳しい。それは主砲も当然心得ている。「なかなか調子が上がらなかったが、これをきっかけに一丸となってやっていきたい」。もっともっと打って、チームを上昇気流に乗せる。
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