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荻野貴司外野手・巻き返しを図る韋駄天

 



 快足の一番打者が巻き返しを図っている。開幕当初は故障や不振に苦しんだ荻野貴司が、二軍での再調整を経て復帰して以降、本来の打撃を徐々に取り戻しつつある。長いシーズンを見据え「気負い過ぎず、1試合1打席を大事にやっていきたい」と意気込んでいる。

 オープン戦では打率.429と好調を維持し「シーズンは3割打ちたい」と目標を口にしていた。伊東監督も「今年はずっと貴司が一番で出られれば。あの足は魅力」とトップバッターとして大きな期待を掛けていた。しかし、古傷である右ヒザの関節炎で開幕メンバーから外れたところから歯車が狂う。4月4日に出場選手登録されたが、今度は22打席連続無安打と絶不調。1本の安打も放てず、たまりかねた指揮官から二軍での再調整を命じられた。

 荻野貴は「焦りがあった。打ちたい、打ちたいという気持ちがあって、上体が突っ込んでいた」と振り返る。二軍では球を引き付ける打撃を意識し、フォームを修正。そして5月2日に再び一軍に復帰すると、2戦目から一気に安打を量産し始め、「状態は上がってきている」と手応えをにじませる。

 ただ、本人は「もちろんまだまだ成績には満足していない」とあくまで復調の途上であることを強調する。チームは打線が思うようにつながらず、波に乗れない状況が続く。得点力向上にはやはり一、二番の出塁が重要なだけに、足という大きな武器もある荻野貴は

「僕は塁に出てなんぼの選手。しっかり自分の役割を果たしたい」と力を込める。本領発揮へ。開幕からの「失われた1カ月」を挽回するべく、さらに攻撃をけん引し、チームを浮上させるつもりだ。
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