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福留孝介外野手・不運の負傷を乗り越えた先に…

 



 チームがV戦線に踏みとどまるためには、福留孝介の完全復活は欠かせない。和田監督も「少しずつ結果を出すことで状態を上げていってほしい」とベテランの上昇を心待ちにしている。

 福留も「何歳になったからといって老け込むつもりはない。自分ができることに全力を注いでいくつもりです」と意地をみせる。

 ただ、和田監督ら首脳陣からの期待は、逆に福留のバットが湿っているという表れでもある。当初、他チームのスコアラーには「昨年のような福留ではない」とマークされたが、その面影は見られない。

 5月11日の巨人戦(甲子園)、1点リードで迎えた6回裏二死一塁の場面で、菅野-阿部のバッテリーに五番・今成が半ば敬遠気味で歩かされ、続く福留との勝負を選択されたほどだ。

 メジャーから復帰し阪神移籍2年目。開幕カードの3月30日の巨人戦(東京ドーム)の守備中に西岡と激突、胸部打撲に見舞われた。その後はフルスイングできない状態でプレーに多大な影響を及ぼした。

 まさに一進一退だ。4月29日の広島戦(甲子園)で、バリントンから通算200号本塁打を放った。しかし、この勝負強さも長続きしなかった。打率1割台をさまよいながら、マルチ安打をマークしたかと思えば、再び下降線を描くなど苦しんでいる。

 4月26日に37歳の誕生日を迎えた。昨シーズンも左ヒザ半月板の手術を受けたが、2年続けての負傷という不運。しかし、どれだけ不振に陥っても「一軍で使ってもらっているかぎりは数字を残さないといけない」と早出特打に取り組むなど懸命に復調を目指している。
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