優勝を狙うチームにあって、代打に据える人材はポイントだった。昨シーズンまでの切り札だった
桧山進次郎の引退によって、そのポストに就いたのが
関本賢太郎だった。
「代打は難しいが、自分に出番がくる3人くらい前からゲームに入って心の準備をするように心掛けている」
4月13日の
巨人戦(甲子園)。延長10回二死満塁の場面に代打で登場すると、山口の初球ストレートを振り抜き、三遊間を破るヒットでサヨナラ勝ちの主役となった。
左の山口からは2011年以来、3年ぶりのヒットだった。しかし、もともと勝負強さには定評のある関本だが、特にサウスポーにとっては手ごわい打者であることに変わりはない。
「できるだけムダな動きを少なくして、よりシンプルに攻めていくことが大事だと思う」
代打屋にとってはコンディションを整えることも必要だが、それ以上にゲーム勘が求められる。関本も自身が出ていく打席をはかりながら、それを想定しながら、ベンチ裏でスイングを繰り返す。
交流戦に突入するまでの同一リーグ戦は、18試合に出場して4安打4打点の成績だった。そのうち2本が左腕からのヒット。昨シーズンも対右投手は打率.250だが、対左投手となると.304まではね上がる、まさしく左キラーなのだ。
プロ18年目。ベテランの関本は「最後まで優勝争いをしていくつもりだ。そして、最後の最後で抜け出たい」とつぶやく。ベンチにとって、左キラーの代打の切り札がスタンバイするのは頼もしい限りだ。