プロ2年目であこがれの舞台を目指す。
則本昂大。昨年はルーキーながら15勝。新人王も獲得し、優勝、日本一にも貢献した。今年も2年連続の開幕投手を務め、ここまでチームトップの6勝をマークしている。
4完投、3完封はリーグトップ。5月28日の
巨人戦(東京ドーム)では2試合連続となる完封勝利を達成。強打者ぞろいの巨人打線相手に3安打とまったく寄せ付けなかった。
25日の
ヤクルト戦(神宮)、星野監督が腰痛で休養。その後、椎間板ヘルニアと黄色じん帯骨化症と診断され、手術に踏み切る見通しとなった。当然、長期離脱は避けられず、チームにとって大打撃となった。その中で見せた快投。「星野監督、やりました!」。静養中の指揮官に白星という最高のプレゼントを贈った。
絶対エースの
田中将大が退団し、昨年15勝の則本は新エースにふさわしい。だが、指揮官は則本をエースと呼んだことはない。「エースは3年活躍して初めてエースや」というのが持論。則本もそれを自覚しているからこそ、逆に発奮材料として、ここまでを戦ってきている。今回の完封劇は、まさにチームを背負っていく存在としての責任感がにじみ出ていた。
オールスターについて「小さいころからの夢の舞台だった」と語る。実績、知名度を総合しても、申し分ない選手に成長した。「そうそうたるメンバーがそろうので、もし選ばれたら、見たり聞いたり、いろんなことを吸収してみたい」と意欲も見せた。
当然、現段階で慢心はない。「選ばれるためにも、まずチームで結果を残し続けないといけない」と、一層気を引き締めた。