ドラフト1位の力を証明する投球を続けている。キャンプから前評判の高かったルーキー・
石川歩は開幕先発ローテーションの座をつかみ取り、4月だけで3勝をマークするなど先発陣の一角として奮闘が光る。本人は「まだまだ全然良くないときも多い。1試合1試合やってきた結果」と謙そんするが、安定感のある投球を披露していけば、新人ながら球宴に選出される可能性もある。
東京ガスからプロ入りした26歳の右腕は上々のスタートを切った。4月6日の
日本ハム戦(QVCマリン)でプロ初白星を12球団の新人で一番乗りとなる完投勝利で飾ると、20日の
ソフトバンク戦(同)では強力打線を相手に8回無失点と好投。4月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも8回1失点で3勝目を挙げる。5月に入って調子を崩したが、初めて中5日で登板した5月24日の
巨人戦(同)では昨季のセ・リーグ覇者を7回無失点に封じて4勝目をマーク。復調を印象づけ「チームに迷惑を掛けていたので、とりあえずホッとした」と喜んだ。
140キロ台後半の直球に加え、鋭いシンカーで幻惑する。新人とは思えない落ち着いたマウンドさばきも秀逸で、走者を出しても冷静な投球術には、伊東監督も「並のルーキーじゃない」と感心する。スタミナが課題だが、試合をつくる先発としての役割をしっかり果たしているのは間違いない。
「次の登板もある。気持ちを切らさないようにしたい」と話すように、活躍にも慢心はない。「球宴はスターが出るところ。僕はないですよ」とマウンド上と同じひょうひょうとした様子で否定したが、順調に成長を続ければ、夢舞台に立つ日も遠くはないはずだ。