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新井貴浩内野手・向上心を持って

 



 我慢を強いられていた新井貴浩が夏場に差し掛かって存在感を見せつけている。「スタメンでも代打でも気持ちは変わらない。常に張り詰めているものはあるし、前へ、前へという気でいる」

 6月4日の楽天戦(コボスタ宮城)で2年ぶりの「三塁」でスタメン出場するとマルチ安打を決めて勝利に貢献した。

 新外国人・ゴメスの加入で一塁のポジションを奪われた。開幕から代打要員としてベンチで控える立場だった。

「野球の世界に限らず、どの世界でもこういうことはよくあること。覚悟はできていましたからね。でも、練習や準備を適当にやっている人にいいことはない。全力を尽くす」

 一塁だけでなく、三塁のポジションでも、弟の新井良、今成の併用が続いた。しかし、新井は「消極的になってはダメ」と自分に言い聞かせながら、与えられたポジションをこなしながら出番を待ち続けた。

 開幕から5月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)まで続いた代打成績は.261だった。新井の長打力は魅力的だが、今後も若手との兼ね合いのなかでスタメン、代打、あるいは守備位置も変わっていくことが予想される。

 6月8日のソフトバンク戦(甲子園)では、12年6月24日DeNA戦以来の甲子園で三塁を守った。ここでも6試合ぶりの打点で、3打点を稼いでみせた。

 プロ16年目、37歳のシーズンだが「体力の衰えは感じない。年齢も関係ないし、向上心がなくなったら終わり」というように、ここからさらに頼りにされる存在になりそうだ。
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