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三浦大輔投手・40歳の円熟味ある投球

 



 プロ23年目のベテラン右腕はやはりこのチームに欠かせない。三浦大輔は6月4日の西武戦(西武ドーム)で6回1失点の好投を見せた。久しぶりの一軍登板で再び存在感を示した。「マウンドに上がるまでは時間があったので、少し考えすぎたところがあったがマウンドに上がったら集中できた」と冷静に振り返った。

 4月18日広島戦(横浜)以来の一軍登板だった。初回からピンチを招いたが踏ん張った。要所を締める粘りの投球で持ち味を存分に出した。6回にソロ本塁打を浴びたが最少失点で切り抜け、この回限りでマウンドを降りた。好投するも打線の援護に恵まれず初勝利をつかめず今季3敗目。しかしそれ以上に長年チームを支え続けたベテランが意地を見せた。

 40歳の円熟味のある投球に中畑監督は「何とか、大輔が粘って抑えてくれた。試合をつくってくれた」と賛辞を惜しまなかった。三浦は「調子は悪くなかったが、中盤にきての失点、さらに先制点を取られてはダメ」と自らに厳しかった。

 4月18日の試合後、防御率6.00と不調のために二軍での再調整が決まった。「プロである以上、結果が出なければファームに行くのは当然」と淡々としていた。自らのやるべきことを把握し、一軍にいつ呼ばれてもいいように、ひたむきに調整を続けた。

 井納が台頭してきたとはいえ、依然として先発陣の陣容は整っているわけではない。シーズン前に補強したはずの先発陣も本来の力を発揮できずにいる。そんな苦しい状況だからこそ、三浦に求められる役割は大きい。ベテランはチームに貢献するためにこれからも腕を振り続ける。
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