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岸孝之投手・僅差を制す。エースが苦しいチームをけん引

 



 2年連続で開幕投手を務めた岸孝之が、エースとして堂々の活躍で、序盤からチームをけん引している。昨季と同様、今季も開幕から2敗を喫したが、3試合目からは昨年からの変化と成長を自らの力でしっかりと証明している。4月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)で、チーム今季初の完投勝利投手となると、その試合から9試合7勝0敗。5月17日の楽天戦(秋田)からは4連勝。確実に勝てる投手として、全幅の信頼を集めている。

 中でも圧巻だったのが、5月2日のロッテ戦(QVCマリン)だ。1回、三番の井口に四球を与えて完全試合こそ逃したが、ノーヒットノーランの快挙を達成してみせた。また、同17日の楽天戦(秋田)でも完封勝利。5月は5試合に登板し、リーグトップの4勝(0敗)2完封の好成績で月間MVPにも輝いた。

 昨年との大きな差は、エース対決に勝てるようになったことだろう。開幕投手の役割を「常に相手のエース級の投手との対戦」とし、相手のエースと「お互い譲らずの僅差ゲームに投げ勝っていかないと」と語っていたが、ソフトバンクの攝津、ロッテの成瀬、巨人の杉内らとの僅差勝負の投げ合いに粘り勝ち。その粘投が、チームに流れを持ち込む、まさにエースの役割を果たしている。

 6月7日の巨人戦(東京ドーム)を右肩の違和感で5回降板し、登録抹消中だが、清川コーチは「あくまでも、これ以上悪化しないための予防措置。交流戦明けに戻ってきてくれれば」と話す。現在7勝2敗。“エース“の称号を自分でも認められる成績を残せるか。自身ノルマと課す15勝へ向けた、後半戦が楽しみだ。
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