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松井裕樹投手・苦闘の果てにつかんだプロ初勝利

 



 プロ1勝を手に松井裕樹は新たな一歩を刻んだ。7月2日のオリックス戦(京セラドーム)。2点リードの5回途中から2番手でマウンドに上がり、2回1/3を2安打無四球無失点に抑えると、白星が舞い込んできた。プロ初勝利に「もう、うれしいの一言です」と喜びをかみ締めた。

 勝負の命運を託された。この試合から、大久保二軍監督が一軍監督代行に配置転換された。その指揮官は、勝利投手を目前にした宮川に代えて、右打者のペーニャに対して左腕を投入。「(言えないけど)意図はあった」と監督代行。期待に応えて二ゴロに仕留めると、6回からは4者連続三振。その後の7回二死一、三塁のこの試合最大のピンチも糸井を三振。7アウトのうち5つを三振で奪い、勝利をたぐり寄せた。

 何度も、チャンスを逃してきた。開幕から5度の先発機会を与えられたが、0勝4敗。二軍降格、リリーフ登板を経て先発復帰した6月19日の広島戦(マツダ)でも、4回3安打5四球で3失点。先発5試合23回1/3で29四死球と制球を乱し、結果的に自滅する形で白星を遠ざけてきた。それでもチャンスを与えてくれた星野監督への感謝は大きい。「ようやく初勝利を挙げました。我慢して使ってくれてありがとうございます。監督が戻ってくるまで、いいピッチングをして迎えたいと思います」と早期復帰を目指す指揮官に言葉を向けた。

 今後の起用法について、大久保監督代行は「それは佐藤コーチと相談して決める」と明かしたが、また先発でのチャンスも必ずある。まずは与えられた一戦一戦の積み重ねで信頼を取り戻し、今度は先発での1勝を目指す。
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