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大瀬良大地投手・プロのカベを前に試される自力

 



 ファン投票先発部門ではエース・前田健太にまくられ、2位に終わった。ドラフト1位の大瀬良大地は惜しくも球宴出場を逃し、「もちろん出られるなら出たかったですし、残念ですけどね。自分は今そんなことを言っていられる立場じゃないですから……」と表情を引き締めた。

 分厚いカベにぶつかっている。交流戦開幕時点で5勝1敗、防御率2.63。「何もかもがうまいこといき過ぎて怖いぐらいです」との予感が的中し、交流戦は計5試合で1勝2敗、計21回0/3で25失点と打ち込まれた。当然、蓄積疲労が顔を出してくる時期だ。骨盤の動きから左肩が早く開く悪いクセを修正しきれず、シュート回転した直球、甘く入った変化球を痛打される場面が目立った。

 とはいえ、ネガティブな要素ばかりではない。6月7日のソフトバンク戦(マツダ広島)でプロ入り後初めて150キロ超えを果たすと、以降はコンスタントに大台を超える数値を計測。「自分は暑くなればなるほど調子が上がるタイプなんです。大学時も6月ごろから150キロを超えてきましたから」。ボール自体は力強さが増してきている。今後は相手チームから研究され続ける中で、いかに配球面で工夫できるかがカギになりそうだ。

 交流戦明け初登板は7月1日。王者・巨人との首位攻防3連戦初戦(マツダ広島)を任された。先発陣の柱として期待されながら、巨人のエース・菅野と投げ合い、6回10安打5失点と結果を出せなかった。「要所での甘い球があったので、そこは反省点です。ピンチで厳しく投げ切る技術を磨いていかないといけない」。苦悩の日々を自力で乗り越えて、エース道を1歩1歩進んでいく。
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