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斉藤彰吾外野手・チームを勢いづけた伏兵の一振り

 



 菊池と大谷による今季2度目の『花巻東対決』として注目を集めた7月2日の日本ハム戦(西武ドーム)。最後に話題をさらったのは、伏兵・斉藤彰吾だった。

 7回に逆転を許し、2対3で迎えた8回裏の攻撃、先頭の三番・栗山の代走で出場すると、五番メヒアの初球で4月29日の日本ハム戦(西武ドーム)以来となる今季7個目の盗塁。その成功率は100パーセントを誇っている。「実は、この試合で一番嬉しかった」。今季ここまでも、ほとんどが代走起用だっただけに、自身に求められているものが、走塁であることを、誰よりも理解する。その一番の役割をまず1つ果たせたことで、自ずとノッていけた。

 2対5で3点ビハインドとなった9回裏。1点を返し、なお一死二、三塁で、今季6打数0安打だった男に打席が回ってきた。次の打者は、主砲・中村だ。「せめて、次につないでほしい」――誰もが願っていた5球目だったが、「自分が一番ビックリ!」という自身プロ初本塁打を放ち、チームを今季初のサヨナラ勝利に導いたのだった。

 年明けから、熊代、木村との右翼手レギュラー争いを繰り広げてきたが、その努力がようやく実った。キャンプでは、熊代と2人、宮地コーチに早出のトレーニングを志願し、心身ともに徹底的に鍛えた。特に「あがり症」と、自ら認める弱点を、「昔は自分もそうだった」という同コーチの体験談を通して改善に取り組んできたことが、成果として実を結んだ。「でも、たった1試合だけ。本当にまだまだ。これに満足することなく、もっとチームに貢献できるように努力し続けたい」。木村との右翼手争いは激化中。反撃態勢に入ったチームをより一層盛り立てている。
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