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坂口智隆外野手・誰もが待ち望む斬り込み隊長の復活

 



 96 年以来となるリーグ制覇のカギを握るのは選手会長・坂口智隆の完全復活だ。俊足強肩、バットを振れば3割をマーク。「一番・中堅」が定位置だった男が窮地に追いやられている。今年はまさかの開幕スタメン落ちスタート。12年に右肩を故障してから本来の姿を取り戻せないままとなっている。

 スロースターターと言われ続けた男だったが、今季は春先から好調をキープ。交流戦中盤まで2割後半の打率を残し「坂口復活」を印象付けたかと思われた。だが、交流戦が終わりリーグ戦が再開すると7試合連続無安打と打撃は下降線をたどっていった。相手先発が左投手のときはスタメン落ちも経験し打率.231、2本塁打、26打点で前半戦を終えた。

 万全な状態で試合に臨めていない。もともと慢性的な腰痛持ちだったが昨季途中にぎっくり腰を発症し常に痛みと戦うことになった。「完全に治ることはないと思う。誰もがどこかしら痛みと付き合いながらやっているので自分も同じ」。試合前後は毎日のように患部をアイシング、電気治療を行うなど少しでもパフォーマンスを上げるため治療に専念している。

 チームは97年以来となる首位ターンを決め、勝負の後半戦へ向かっていく。坂口の復調は首脳陣の誰もが待ち望んでいる。森脇監督も「個の力ではなくチーム全員で向かっていくことが大事。状態が上がってくる選手もいる」と期待した。今年でプロ12年目となる坂口の目標はただ一つだけ。「まだ経験したことがない優勝をみんなで目指していく。どんな形でもチームに貢献したい」。オリックスの斬り込み隊長として完全復活を果たすつもりだ。
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