救世主となるべく、新助っ人がチームに加わった。7月13日の
ロッテ戦(コボスタ宮城)で、
ザック・ラッツは四番に起用された。初回無死満塁のチャンスで、先制決勝の2点打を放つと、チームは2回までに6点を奪って快勝した。「クリーンアップはランナーを返すのが仕事。それが出来てよかった」。昨季から不動だったA.
ジョーンズに代わって四番に座った男は胸を張った。
交流戦が終盤に差し掛かったときに加入すると、すぐに存在感を発揮した。デビュー戦となった6月21日の
阪神戦(甲子園)で2安打1打点をマークすると、翌日には来日初本塁打も放ち、チームとして約2カ月ぶりとなる連勝に導いた。その後、死球の影響で欠場することはあったが、ここまで打率.313、5本塁打、18打点の活躍を見せている。
チームは結局、借金13の単独最下位で前半戦を折り返したが、確実に流れは変わりつつある。球宴前の前半戦を終えるまで、ラッツがスタメン出場した13試合で9勝4敗の成績。沈黙を続けていた打線がかみ合うようになり、2度の3連勝もあった。来日当時に監督代行を務めていた佐藤投手コーチは「本当の助っ人だな」と絶大な信頼を寄せた。シーズン途中に加入しながら、いまや勝利のために欠かせない戦力となった。
首位・
オリックスまで14ゲーム差。クライマックスシリーズ出場圏内の3位までも7.5ゲーム差あり、厳しい状況に変わりないが、まだナインはあきらめていない。
大久保監督代行は「自力Vは消えたけど、みんなで伝説を作ろうというのが目標になっている」と言い切る。新四番がそのバットで逆襲の道を切り開いていく。