今までにない安定感を見せている。
岩田稔が先発ローテーションを守り抜けば、チームがこのまま首位争いを続けるのは間違いないだろう。
「自分のピッチングとしては、一人ひとり大事に投げてアウトに取っていくこと。それと走者を出してから同じテンポにならないように心掛けている」
前半戦の最終登板になった7月13日の
巨人戦(東京ドーム)は6回3失点で7勝目。後半戦スタートになる21日の巨人戦(甲子園)に先発する可能性が出てきたのも信頼されるようになった証しだ。
今シーズンは立ち上がりに失点を食らって、突然崩れる姿も少なくなった。開幕こそ二軍スタートだったが、4月20日の
ヤクルト戦(甲子園)で今季初勝利を挙げると、26日の
DeNA戦(横浜)で2年半ぶりの完封勝ちを収めるなど順調に白星を重ねていった。
岩田は走者を背負っても粘りで乗り切るケースが多い。7月2日のヤクルト戦(甲子園)で8安打されながら完封勝利を挙げたのも粘りの投球で変身ぶりを感じさせた。
これまでのピッチングを変えた要因は、フォークを多投するようになったことだ。本来、岩田の得意球はスライダーだが、落ちるボールが使えるようになったことが大きい。
岩田自身も使える球種が増えて投球の幅が広がったことに「完璧というわけではありませんが、ひとつの武器になっている」と自信をつかんだ。
昨シーズン2勝止まりだったサウスポーの台頭。後半戦に向かう岩田は「開幕はファームで悔しい思いをしたので、それをぶつけていきたい」と反骨心をむき出しにしている。