週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ブラゼル内野手・勝負どころで光るパワー

 



 チーム随一の長距離砲が勝負強さを発揮しつつある。クレイグ・ブラゼルは春先こそ二軍での調整が続くなど低調だったものの、気温が上がるにつれて徐々に状態が上向き、中軸で先発起用される試合も増えてきた。迫力不足が指摘される打線の中で、豪快な一発の魅力を体感させてくれる選手だ。

 西武阪神でプレーした5シーズンで計118本塁打をマークした内野手は昨季途中に長打力を買われて加入した。伊東監督も「一発の恐怖がある。相手に与えるプレッシャーはかなりのものがある」と言うパワーは相手投手にとって脅威。要所での貴重な長打も多く、今季も一振りで試合を決めてきた。

 象徴的だったのが5月28日の広島戦(マツダ広島)での今季初アーチだ。1点を追う8回二死一、二塁。代打で登場すると、「手応え十分。思い描いたところにボールが来た」と打った瞬間に分かる劇的な逆転アーチを右翼席にたたき込んだ。7月1日のソフトバンク戦(東京ドーム)でも0対0の9回に決勝のソロ本塁打。力投の唐川に今季初白星をつけ「彼に勝ちが付いてうれしい」と喜んだ。

 だが、アクシデントが襲う。7月14日のソフトバンク戦(QVCマリン)で頭部に投球を受けて右側頭部を打撲。骨や脳に異常はなかったものの、翌日に大事を取って出場選手登録を外れた。好調だっただけに早期復帰の期待は高い。

 チームは巻き返しに向け、キューバの国内リーグで通算220本塁打を放っているデスパイネを獲得するなど発奮材料にも事欠かない。刺激を受けた実績十分の大砲が、期待の新加入選手とともに、後半戦はそろって夜空に特大のアーチをかけてくれるに違いない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング