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西川遥輝内野手・逆転Vへの起爆剤が本領発揮の兆し

 



 4年目でレギュラーに定着した西川遥輝が、沈滞ムードを一気に消し去った。オールスター明けの7月21日からのオリックスとの3連戦(京セラドーム)。上位2強の一角に、悪夢のような3連敗を喫した。自身も3戦13打数無安打。雪辱を期す次カードの楽天3連戦(コボスタ宮城)で躍動した。

 25日の初戦。1点を追い、無得点で迎えた6回に打線の着火役を担った。一死から右前打を放つと、ウソのようにつながった。一死満塁となり、主砲・中田の逆転満塁弾が生まれた。西川は直後の7、8回には連続三塁打。自慢の足を生かした離れ業で、追加点をお膳立てした。「何とかチームに貢献したかった」。その3連戦すべてでリードオフマンを任されて、チームをけん引した。

 全3試合で長打を放ち、得点をマーク。チームも2勝1敗と勝ち越しに成功。栗山監督も「ハルキは打ち始めると打っていく」と、乗ると手がつけられない。29日のロッテ戦(QVCマリン)では延長12回一死二塁で、右翼席へ起死回生の決勝2ラン。大谷の野手出場で打順は二番ながら、ひと振りで試合を決めた。一度は勝ち越しながらも追いつかれた嫌な流れを、奪い返した。

 主力へとステップアップする分岐点の今季。打率は2割5分前後を往来するなど苦しんでいるが、前向きに自分と向き合ってきた。守備位置も二塁を中心に内野、時には外野と定まらず、葛藤もある。「調子は良かったり、悪かったりとイタチごっこです」。自問自答しながら、与えられた出場機会を全うする。栗山監督が今季、最も期待する選手に、本領発揮の気配が漂ってきた。
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