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大竹寛投手・進化した体で欠かせない存在へ

 



 フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人に移籍し1年目。前半戦は6勝4敗と及第点とも言える成績は残したが、満足できるものではなかった。後半戦初戦となった7月27日の中日戦(ナゴヤドーム)。大竹寛は7回1失点で白星をつかみ「何とか勝って、チームの力になれてうれしい」と笑顔を見せた。

 初回にいきなり2四球などで二死満塁とされた。ここで三塁を守っていた井端から「丁寧に投げ過ぎじゃないか。初回なんだから、思い切っていこう」と声を掛けられた。落ち着きを取り戻した右腕は藤井を空振り三振に仕留め、無失点で切り抜ける。その後は得意のシュートを軸に内角を大胆に攻め、好調の中日打線を抑えていった。「全体的に打者を見ながら投げることができた」と状況を把握し、持ち味の打たせて取る投球を披露した。

 前半戦は5月9日を最後に約2カ月間、勝てない時期を経験した。途中、6月3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では右太もも裏がつり、5回で降板するなど悔しさは募るばかりだった。食生活から見直して体質改善を図り、走り込みの量を増やすなど肉体の強化にも努めた。地道な取り組みが実ったのが7月4日の中日戦(東京ドーム)。6回1/3を1点に抑え

「(勝てなくて)申し訳ない、という思いが一番に来る。やっぱりうれしい」と久々の勝利の味をかみしめた。

 球宴休み中にも、もう一度走り込み、後半戦に備えた。上々の再スタートに、大竹も「粘れて良かった」と気を良くする。チームは先発陣が盤石とは言えない。優勝争いが本格化する夏から秋にかけ、右腕の活躍は欠かせない。
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