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西川遥輝内野手・初タイトルを狙う新スピードスター

 



 4年目の西川遥輝が初タイトルを射程圏にとらえている。8月21日現在で自身シーズン最多の29盗塁をマークし、リーグトップに躍り出た。オリックス糸井嘉男と一歩も譲らぬデッドヒート。日本ハムの背番号「26」を引き継いだ、あこがれの先輩を追い抜いた。栗山監督ら周囲の期待どおり、才能を発揮している。

 入団当初から高いポテンシャルで将来を嘱望されていた。走力に加え、センスあふれる走塁技術は、二軍首脳陣の目を釘付けにした。「武器の一つですから」と西川も自覚する特長は、高卒新人離れしていると評判だった。当時の不動のリードオフマンでメジャーへ移籍した田中賢介が「アイツはすごい」と後継者として認めるほどのポテンシャルで、圧倒的な輝きを放っていた。

 目まぐるしく変わる役割の中でも、新スピードスターとして着実に台頭してきた。今季は打順上位に固定も一番、三番などチーム事情によって、多種多様な起用をされてきた。守備位置も本職の二塁のほか、一塁や外野で起用されるなど、走塁以外で神経を使う局面が多い。一塁走者となった場合は基本的に、自己判断で盗塁を仕掛けることが許され、すべてのケースで責任を持たされてきた。

 栗山監督は「(西川)ハルキはもっとやれる。アイツが落ち着けば、チームはもっと前に進む」と重圧もかけられる中で、奮闘を続けている。昨季は陽岱鋼が球団史上初の盗塁王に輝いたが、2年連続での日本ハムからの輩出へと西川がひた走っている。「僕で負けた試合もある。それを取り返さないといけない」と肝に銘じている。機動力野球の申し子が覚悟を決め、終盤戦に臨む。
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