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菅野智之投手・試練を乗り越える

 



 2年目で初の開幕投手を務めた。そこから6連勝を飾るなど幸先の良いスタートを切った、現在は故障で戦列を離れているが、防御率2.58は前田健(広島)を抑えてリーグトップ。(8月28日現在)。菅野智之は初のタイトルも視野に入れる。

 3、4月には初の月間最優秀選手を獲得。「これからも中心選手でいられるように引っ張っていきたい。何度も受賞できるような活躍をしてチームに貢献したい」と力強く語った。その言葉どおりに先発陣の軸として、主に中5日のペースでフル回転していた。5月17日の広島戦(東京ドーム)では前田と投げ合い、7回1失点で勝ち投手に。交流戦中には9回まで無安打無得点を続けていたオリックスの金子を前に、菅野も7回無失点の好投。チームの延長戦での白星に大きく貢献した。速球の威力を増すなど、2年目で進化した右腕は、相手のエースとも互角以上に渡り合った。

 アクシデントに襲われたのは7月16日のヤクルト戦(東京ドーム)。打撃でゴロを打った際に右手中指に違和感を訴えた。精神力の強い右腕はその日は8回1失点で今季9勝目を挙げたが、続く25日の中日戦(ナゴヤドーム)は5回途中8失点で降板。ただ、本人は「力不足」と痛みのことは決して口に出さなかった。詳しい敗因を「これ以上言うと、言い訳になる」と明かすこともなかった。

 その後も球宴を含め2試合に登板したが、痛みが治まらず8月4日に「右手中指の腱の炎症」と診断され、出場選手登録を外れた。8月下旬に腰痛を訴えるなど、二軍調整中も試練が待っていた。優勝争いは佳境を迎えるだけに、一日も早い復帰を目指す。
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