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山田哲人内野手・複数のタイトルも視野にいれる22歳

 



 まさに「恐怖の一番打者」と言える存在になってきた。斬り込み役として好調な打線をけん引しているのが入団4年目の山田哲人だ。昨シーズン94試合に出場して経験を積んだことで、今年一気に打撃の才能が開花した。今季は開幕スタメンを勝ち取ると、ここまで5本の先頭打者アーチを描くなど活躍。打撃成績では安打数でトップに立つほか、主要な打撃部門に軒並みランクインしている(8月28日現在)。

 打撃好調の理由は「試合前のティー打撃」にある。もともとアッパースイングになりがちだが、ティー打撃でスイングを修正し、試合に臨んでいる。「ホームだけでなく、ビジターの試合でも球場に早く来て、毎日欠かさず取り組んでいる」と、この姿勢に賛辞を惜しまないのは杉村打撃コーチだ。「自信にもなるし、なんとか取らせたい」とタイトル獲得へ向け、指導にも熱が入る。

 狙うは「最多安打、首位打者、出塁率の3部門に加え、200安打達成とベストナイン」(杉村コーチ)の5つだ。その期待は大きいが、若きバットマンも「取れるタイトルは全部取りたい。何でも一番になることはいいことですから」と意欲を燃やしている。

 ライバルはチームメートの川端慎吾だ。打率3割超のハイアベレージを残す2人は仲も良く、野球談議にも花を咲かせる。右打者と左打者の違いはあるが、川端がヒットを打つと「俺もやらなきゃ」との思いが湧くという。チーム内での高いレベルでの切磋琢磨が、タイトル獲得を後押しする。「すべての打席で塁に出ることを意識している」。そう語る背番号23は、強い思いを持ってバッターボックスに向かう。
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