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メンドーサ投手・大誤算だった期待の元メジャー右腕

 



 期待値が高かっただけに、大きな誤算と言えるだろう。今季鳴り物入りで加入したメンドーサに光明が見えないままだ。シーズン佳境に突入して4勝12敗。今季の先発ローテーション編成で目玉の1人と目論んでいたが、想定外だった。開幕からローテを守り続けてきたが8月24日には出場選手登録を抹消され、再調整を言い渡された。

 ロイヤルズで先発の一角を任されたこともあり、メジャー通算16勝。数年前からフロントがマークし続け、ようやく念願がかない、「秘密兵器」として期待された。本人も「ファイターズが優勝できるように貢献したい」と新天地での活躍を誓った。球団経営にシビアな日本ハムにしては高額といえる年俸1億円、2年契約という好条件が、高い評価を物語る。

 不運もあり、つまずいたことで立て直しの兆しも見えなくなった。評判どおりのゲームメーク能力の高さを開幕から発揮。交流戦期間の6月15日ヤクルト戦(札幌ドーム)までデビューから12試合で防御率2点台をキープしたが、勝利数が3と伸び悩んだ。打者の手元で変化する独特の直球系に、ナックルカーブ、チェンジアップ。多彩な球種に、精度抜群の制球力で適応していた。ただ援護に恵まれないなど白星が伸びず、迷走していった。

 来日前から特長を熟知していた栗山監督が「オレの知っているメンドーサじゃない」と首を傾げるほど、低迷した。そのヤクルト戦のあとは9試合登板で7回以上を投げ切ったのは9月4日現在、1試合のみ。序盤で崩れて立て直せないというパターンが続く。ポストシーズン進出の可能性が高い中で、本来の姿を取り戻せるか。
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