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森本稀哲外野手・テスト入団から、チームを支える大きな戦力に

 



 昨季、横浜DeNAで出場4試合5打数0安打と不遇のシーズンを送った森本稀哲にとって、開幕から一度も登録抹消されることなく一軍に居続け、92試合(9月18日現在)に出場している今季は、

「手応えを感じられる一年」となっている。昨年の秋季キャンプからのテスト入団という経緯だけに、「自分自身不安は当然ありましたし、チームとしても『戦力としてどれぐらいやれるんだ?』というのはあったと思う」。だが、それは杞憂に終わった。

 日本ハム時代に日本一を経験している森本の存在は、若いチームの中で非常に大きなものとなっている。開幕から低迷が続いたチーム状況でも、持ち前の天真爛漫さでロッカールームやベンチを盛り上げてきた。「負けているときは雰囲気も暗くなりがちだけど、勝っているときだけベンチが明るいというのは、僕は好きじゃない。僕は、とにかく勝つための雰囲気を、毎日同じように作ろうとしているだけ。若い選手が勝つ雰囲気というのは、こういうふうに作っていくんだということを少しでもわかってくれればいい」。プレー以外の面でも、森本だからこそできる役割を全うしている。

 本職の外野だけではなく一塁手にもトライしたことで、試合終盤の守備固めとしての出場も増えた。出場の幅を広げたという意味でも「素晴らしい挑戦だった」と、自身も納得の表情だ。それでも、今季の成績には「物足りない部分がたくさんある。練習で磨いているものをもっと試合で出さないといけない」。再び一軍での出場を重ねたことで「まだ上手くなると思う」と、大きな手応えを得た。チーム一のムードメーカーは、崖っぷちを経て、さらなる進化を遂げる。
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