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宮西尚生投手・7年連続の50試合登板で一流中継ぎの証明

 



 周囲の期待に応え、今年も軽々と大台をクリア。勝利の方程式の一角を担う宮西尚生が、ルーキーイヤーの2008年から7年連続のシーズン50試合以上登板を達成した。9月25日現在で59試合に投げ、残りは8試合。2年ぶり、自身4度目の60試合以上登板も確実な状況となっている。防御率も2.23でリリーバーとして非の打ちどころがない。

 20代にして「鉄腕」の称号がふさわしい。今季で400試合以上登板を果たし、左のセットアッパーとして第一線を走り続けている。180センチ78キロと決して恵まれた肉体、身体能力を持っているわけではない。変則のスリークオーターから繰り出す速球も140キロ台前後。大胆かつ巧妙なマウンドさばきと勝負度胸、局面での精度の高さで、荒れたマウンドを守り続けてきた。

 勤続疲労もあり、9月には大きなピンチに陥った。「左ヒジの軽度の炎症」が要因で、大事をとって3日に一度出場選手登録を抹消された。わずかな静養期間を経て最短の10日間で13日に再度、出場選手登録されて復帰した。

 最後の大勝負をにらんでの処置に宮西も心身を整えた。「間隔が空く、空かないは関係ない。不安はなかった。いかにCSに向けて状態を上げていくか」

 今季は助っ人のクロッタとカーターが継投の必勝パターンに組み込まれた。守護神は武田久から増井へと転換。刷新が図られたブルペン陣の中でただ1人、不動のポジションをキープしている。他の追随を許さない安定感で持ち場を守り続け、国内球団への移籍が可能なFA権も最短の年数で取得した。円熟味が増したセットアッパーの価値を証明する1年は続く。
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