実績を築いた
西武を離れ、今季から
巨人に加わった。移籍1年目でリーグ優勝を味わい、
片岡治大は「勝たなければいけない中で勝てた。良かった」と充実感に浸った。
俊足はもちろん、得点圏打率が3割を超え、勝負強い打撃も光った。リーグ3連覇を決めた9月26日の
DeNA戦(横浜)も、価値ある一打を放つ。4回に1点を先制し、なお二死満塁。「いつもと違う緊張感があった」と振り返る大一番でも、積極性は失わなかった。1ボールからの2球目。145キロを中前にはじき返し、二者を迎え入れた。同学年で社会人時代にチームメートだった先発の内海を援護し「2アウトで打つだけのケースだったので、開き直っていった。打って、内海を楽にしてあげたかったので、良かった」と喜んだ。
苦しみを乗り越え、優勝へとたどり着いた。7月以降、打撃不振に陥り、原監督が「自分のスタイルを取り戻すために時間を与えた」と8月6日から約2週間、二軍で再調整した。「新しいところで対応できていない部分があった」と片岡は言う。二軍では精神的な切り替えに努め、本来のプレースタイルを思い出した。「野球を楽しむではないけれど、原点に返ってやろうと思った」と思い切りの良さが戻った。一軍に復帰し、8月21日の
ヤクルト戦(神宮)。5対5の延長11回に「うまく反応できた」と内角球を強振し、左越えへと運んだ。負ければ2位に転落していた試合で、チームを白星へと導いた。
常に重圧の掛かるチームに身を置き「気が抜けない。あっという間だった」と口にした。日本一へ向けた戦いがまた始まる。