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武隈祥太投手・貴重な中継ぎ左腕としてフル回転

 



 試合中盤、貴重な中継ぎ左腕として奮闘をみせたのが武隈祥太だ。開幕こそ二軍スタートとなったが、5月9日に一軍登録されてからは、対左打者対策の一手としてシーズン終了までチームに貢献した。47試合、投球回数482/3回は、7年目でのキャリアハイとなった。対左打者での被打率.189。求められる役割を十分果たしたと言ってもいいだろう。

 田辺新監督は左腕について「良かったり、悪いときもあったりで、なかなか安定はしていなかったけど、淡々と47試合投げてくれた。その中で徐々に力をつけていった」と評価。さらに、「ストレートのキレが増したことで、自慢のチェンジアップが、より一層効きはじめているかなというのが感じられた」と球質の向上が成長の一つと認めている。

 左打者を中心にピンポイントでの起用が多かったが、一方で、より好投をみせた印象が強いのが、ロングリリーフでの投球だ。8月10日の対ロッテ戦(QVCマリン)では3回一死から6回まで、同28日の楽天戦(コボスタ宮城)では3回から5回、9月25日のオリックス戦(京セラドーム)では、3回途中から6回途中までと、先発投手が早い回でKOされた直後を引き継ぎ、試合が大崩れするのを防いだ。先発が打ち崩されたあとの2番手以降が課題と言われる投手陣にあって、今季、フル回転の登板でチームを支えたことは確かだ。

 自己最高の数字を残した今季を経て、どのように進化していくのか。ロングリリーフもできるスタミナがあれば、先発も選択肢の一つだろう。投手陣の再建を最大のテーマとするチームにおいて、現戦力の底上げは必須でもある。
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