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雄平外野手・才能を開花させチームの主軸へ

 



 野手転向5年目の今年、打者としての才能を一気に開花させたのが雄平だ。シーズン193安打を放ち、日本人右打者のプロ野球記録を更新するなど大ブレークを果たした山田の存在に隠れがちだが、141試合の出場で打率.316、23本塁打。さらにはチームトップの90打点と、まさに「陰のMVP」と言える堂々の成績を残した。

 宮城・東北高から「高校NO.1左腕」としてドラフト1位で入団したのは今から11年前の2003年。ルーキーイヤーから一軍登板を果たすなど早々と頭角を現したが、制球難により、09年のシーズン終了後、野手に専念することを決めた。レギュラー定着が期待された昨季は、右ヒザのじん帯断裂で4月に離脱。今季は「1年を通じてチームに貢献する」と強い気持ちで臨んだシーズンだった。

 その言葉どおりに年間を通じて活躍を見せたが、特に目立ったのは自身初の月間MVPを受賞した5月だ。28日の日本ハム戦(神宮)での1試合2本塁打など、月間打率.364、8本塁打、19打点と打ちまくり、リーグトップの長打率.646をマーク。チームの月間勝ち越しに大きく貢献した。

 開幕当初の打順は二番だったが、シーズン途中では五番での起用が多くなり、左アキレス腱痛のバレンティン不在の際には四番に座ることもあった。四番でスタメン起用された9月29日の広島戦(マツダ広島)では2打席連続弾を放つなど、主軸として大きな存在感を示した。今季限りでの退任が決まった小川監督も、その成長ぶりに目を細める。「ここまで使ってもらったのに、勝利に導けなくて申し訳ない」と背番号41。来季は勝利に貪欲にさらなる活躍を誓う。
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