週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西宮悠介投手・指揮官の期待に応えたルーキーイヤー

 



 1年前に想像していた姿以上の自分がいた。横浜商科大からドラフト5位で入団。1年目の今シーズン、キャンプ中に一軍切符をつかみ、そのまま1年間を走り抜けた。登板46試合は福山の66試合に次ぐチーム2番目の多さ。3勝2ホールド、防御率3.17は新人としては堂々の成績。「開幕のときには、自分が一軍にいれるとは思っていなかった。そのときは、うれしい気持ちしかなかったけど、そこから責任感も芽生えて、何とか投げていくことができた」と充実感をにじませた。

 ダイナミックなフォームから繰り出す力強い投球が持ち味だ。昨秋のドラフト会議直後から、星野前監督が何度も名前を挙げたほどだった。「ああいうタイプは0点か100点のどっちか。中途半端にはならない」。その期待に見事に応えてみせた。

 自信をつかんだ登板がある。4月22日の西武戦(コボスタ宮城)だ。同点の12回二死一、三塁から5番手で登板。秋山を空振り三振に仕留めると、その裏にA・ジョーンズがサヨナラ弾。チーム新人一番乗りでプロ初勝利を手にした。「初勝利できたこともそうですが、ああいうピンチの場面で投げさせてもらえたことがうれしかった」。何度も厳しい局面を切り抜け、成長していった。

 すでに来季に向けた課題にも取り組んでいる。秋季練習では、走り込みを中心に行い、肩ヒジの疲労を取り除くこととともに下半身強化を行う。「もっと強いボールを身に付けて、直球1球だけで詰まらせたりできるように。あとは四球を減らせるようにしていきたい」。パワーアップした投球で、覇権奪回に向けたチームの勝利の方程式を担うつもりだ。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング