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唐川侑己投手・柱の自覚を

 



 シーズン終盤に復調したものの、唐川侑己は伊東監督に期待された、柱としての活躍はできなかった。今季の最終登板となった9月26日の日本ハム戦(QVCマリン)で2季ぶりの完投で意地を見せた右腕に指揮官は「ふがいない投球が続いていた。今季一番期待していた投手。今日ぐらいの投球をやっていてくれたら違う展開になった。来年はこんな投球を続けてもらいたい」と厳しい言葉を送った。

 2007年の高校生ドラフトで日本ハム・中田、ヤクルト・佐藤由と並んでビッグ3と呼ばれ、1年目から注目を浴びた。地元ロッテに入団し、4年目の11年には12勝(6敗)を挙げた。

 しかし12年は8勝、13年は9勝と1ケタにとどまり、今季は巻き返しを狙うはずだった。キャンプでは順調な仕上がりを披露していたが、ふたを開けてみれば開幕から5連敗。初白星は7月に入ってからと大きく出遅れた。トンネルを抜け出したように見えたころにはすでに秋を迎えていた。

 自身の最終登板では重圧から解放されたのか、力のある直球で日本ハム打線を1失点完投にねじ伏せた。前日にクライマックスシリーズ進出の可能性が消えたにもかかわらず、球場に詰めかけたファンに「少しでもいいモノを見せられたらと思って投げた」とマウンドで気概を示した。

 4勝に終わった1年に「たくさんいい経験をさせてもらった。これを生かさなければ。来季はしっかりと頑張りたい」と誓う。伊東監督からも指摘されたクイックの修正を図るなど来季に向けた取り組みを始めている。「自覚を持ってやっていきたい」。足元を見つめながら高みを目指す。
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