プロ1年目の今季、
大瀬良大地は10勝8敗、防御率4.05の成績を残した。3球団競合のドラフト1位選手とはいえ、前評判どおりの活躍で新人王の最有力候補となれば、年俸の大幅アップも間違いない。近年の
広島の新人投手で10勝を挙げた例を見ると、14勝を挙げた95年の山内が推定1900万円増、12勝を挙げた97年の澤崎が推定1800万円増を勝ち取っている。大瀬良は、それを超える可能性も十分にある。
開幕から先発ローテーションに入ると、自身3戦目の登板となった4月16日の
阪神戦(マツダ広島)でプロ初勝利。「がむしゃらに投げた結果」と謙遜したが、そこから5連勝。順調に白星を積み重ねた。9月6日の
DeNA戦(横浜)では初完封。2カ月近く勝てない時期もあったが、1度も二軍落ちすることはなく、ローテーションに座り続けた。
ポストシーズンでも存在感を発揮した。CSファーストステージでも先発に抜てきされた。それもエース・前田を立てて敗れ、後がない2戦目。惜しくも敗れたが、気迫の投球で7回5安打無失点。「すごくいい経験をさせてもらった。1年間を振り返って、来年に生かしていきたい」と前を向いた。
来季は2年目のジンクスとの戦いになる。山内、澤崎はともに2年目は前年に比べて成績を下げた。大瀬良はジンクス打破へ向け、秋季キャンプで新球フォーク、スプリットの習得を目指している。課題のセットポジション克服にも燃える。「セットで制球の精度を上げないといけないし、フォークは来年からしっかり使えるようにしたい」。おごることなく、さらなる進化を目指す。ジンクス打破も可能。成績も年棒も上がるのみとしたい。