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九里亜蓮投手・2年目に期待の強化指定選手

 



 秋の日南のブルペンには連日、九里亜蓮の姿があった。キャンプ初日から101球を投げるなど、期間中に1700球を超える球数を投げ込んだ。「もう来年のシーズンが始まっているくらいのつもりで。上を目指すためには進化が必要」。そのくらいの覚悟だった。1年目の今季は先発、中継ぎで20試合に登板。開幕2連勝を飾ったものの、以降は勝ちに恵まれず、結局2勝5敗で防御率4.00に終わった。残った数字を振り返り、投げ込みの必要性を感じた。

 シーズンではイニング、球数が増えるにつれ、制球ミスで痛打を食らう場面が目立った。そこで目指したのは、力が抜けたフォーム。低めへの制球を意識し、リリース後に一塁側に倒れるフォームの修正に取り組んだ。「体ごといってしまうと制球が荒れてしまう。たくさん投げて体に覚え込ませたい」と数をこなした。畝投手コーチも

「ブルペンでは素晴らしい球を投げている。それを試合で出せるようにしてほしい」とうなずいた。

 首脳陣からの期待は大きい。緒方監督からは、このオフの強化指定選手に指名された。野手で指名されていた鈴木誠に続き、2人目の指名。「期待している。ハートの強さがあるし、体もタフ」と大きな期待を寄せられている。雨天で中止となったが、緒方政権初の対外試合となるはずだった11月9日の西武との練習試合に先発予定だった。新体制の初陣を任されるあたり、期待の大きさが伺える。

 激しいローテーション争いに割って入る。広島先発陣はエース前田を筆頭に、昨季10勝の大瀬良、新外国人のジョンソン、巻き返しを誓う野村や福井、若手の戸田も名前が挙がる。手応えをつかんだキャンプを、踏み台にしたい。
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