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山口俊投手・目指すは沢村賞

 



 9年目右腕にとってこの秋はさらなる飛躍を遂げるための貴重な準備期間となった。今季途中から先発に再転向した山口俊は8勝を挙げる活躍を見せた。「これから足りないところを補わないといけない。休むことなく続ける。キープではなく向上していかないと」と意識の高さを見せた。

 秋季練習中に取り組んだのは新球種のカットボールだった。「左バッターに食い込むボール。インコースのイメージを持たすことは効果的」と狙いについて説明した。さらに習得に励み、今後の照準は試合で試すこと。「感覚をつかめれば実戦でやらないといけないと思う。2月の実戦で試したい」と青写真を描いた。

 シーズン終了後、中畑監督からは「任せるから」と告げられた。大きな期待をにじませる言葉を聞いた山口は責任感を強くした。「自分自身、しっかりした成績を残さないとダメ」と思いを口にした。奄美大島での秋季キャンプには帯同せず自主的に練習に取り組んだ。秋季練習は終了し、一区切りとなったが「ここで終わるのではない。12月、1月と計画的にやっていけば2月(のキャンプ)に入りやすいと思う」と歩みを止めるつもりはない。

 来季はプロ10年目のシーズンとなる。通算111セーブを挙げ、実績を残した抑えの座を目指すのではなく先発として活躍を期す。

「また新たな野球をしていく上ではっきりした目標を持つ。チームを引っ張れる投手になりたい。三浦さんの後継者になりたい」ときっぱり言い切った。向上心旺盛な背番号11は「先発でやる限りは沢村賞を目指したい。名誉ある賞なのでそれに近づけるように」と頼もしい言葉を残した。
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