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荻野貴司外野手・来季こそ駆け抜ける

 



 6月22日の中日戦(ナゴヤドーム)だった。今季こそ無傷でとの決意で臨んだ男の1年は結果的にここで終わった。本塁に滑り込んだ際に左肩を負傷。「左肩関節窩骨折」と診断され、7月には手術を受けた。全治5、6カ月の見込みに「痛くて腕が上がらなかった。さすがに無理。治すことに専念しようと思った」と気持ちを切り替えた。

 俊足巧打の29歳は2010年にトヨタ自動車からドラフト1位で入団して以来、故障に泣かされ続けている。1年目は5月に右ヒザ半月板損傷で手術。翌年も再び右ヒザの手術を受けた。昨季は腰痛で出遅れ、今季も右ヒザ関節炎のため開幕には間に合わなかった。「例年に比べて体調は良かったが、どこかでヒザをかばったりというのがあるのかなという感じで、バランスが崩れてきたのかなと思う」と振り返る。出場試合数も13年に102を数えた以外はいずれも2ケタにとどまっている。

 今季は40試合で打率.261。チームトップの15盗塁をマークしたところに、地力の高さをうかがわせた。「ケガせずに一軍にいられれば、勝負できると思う。まずはそこを目指したい」

 そのために取り組んでいることがある。「ちょっと力みが強いというか、動きが硬いとよく言われる。そこを改善できたら」。トレーナーに教わりながら体への負担が少ない動きを模索している。

 左肩の回復は「もうほとんど治っていると言っていいぐらい。キャンプには万全でいけると思う」。

 盗塁王へのこだわりは「狙いたいですけどね」と否定はしないが「まずはケガをしないというのを優先していきたい」。来季こそシーズンの最後まで駆け抜けてみせる。
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