15年シーズンは正捕手としての期待がかかる。プロ2年目、24歳の年を迎える
梅野隆太郎もその自覚は十分だ。「誰もが144試合すべてでマスクをかぶりたいと思うはず。すごくいい経験をさせてもらった。さらに向上心をもって、どっしりと構えられるキャッチャーになりたい」
1年目は全試合ベンチ入りを果たして92試合に出場した。下降線を描いたチームの中で「打てる捕手」として頭角を表したのが、新人で「梅ちゃん」と親しまれたこの男だ。
特に、バットでは7月1日の
ヤクルト戦(倉敷)で新人では69年の
田淵幸一氏以来となる2打席連続本塁打を放つなど、近年にはないタイプのキャッチャーとしてアピールした。
藤井、鶴岡らをしのぐ67試合に先発マスクをかぶった。勝率は.515。両リーグを通じて規定試合数をこなした捕手で捕逸0は梅野ただ1人。体を張ってホームを守った。
神経をすり減らす過酷なポジションで、入団直後の体重80キロが約10キロ減ったことで終盤はバテ気味だったことは、新たなシーズンに向かう梅野のテーマだ。
「うれしいことも、悔しいことも経験したシーズンだった。少しでも自分の課題をこなさないと先は見えてこない。144試合に出場する体力づくりをしていきたい」
チームにとって大事なクライマックスシリーズは出番がなかった。日本シリーズも守備固めの1試合出場にとどまった。
ほかの若手捕手も黙っていないはずで、ベンチの信頼を完全なものにするためには2年目は勝負の年となる。梅野は「今年以上の数字を残したい」と定位置をモノにする覚悟だ。