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谷内亮太内野手・定位置奪取へ向けた戦い

 



 日本ハムから大引がFA加入。センターラインの固定を目指すチームにとって、名手の移籍は心強い限りだが、遊撃の定位置を静かに狙っている男がいる。15年に3年目を迎える谷内亮太だ。

「勉強できるところは見習いたいけど、最初から負けるつもりはない。レギュラーを取るつもりでこのオフを過ごします」。早生まれの年男は、揺るぎない決意を示した。

 課題は明確だ。非力さが抜けない打撃だ。堅実な守備には定評がある一方、1年目の13年が6試合で打率.190、出場数を43試合に伸ばした14年も.191にとどまった。

「一軍の投手はスピード、キレ、コントロール、どれも二軍とは全然違う。打撃を変えていかないと、出場機会は増えない」

 国学院大時代に鳴らしたシュアな打撃は、完全にプロの壁にぶち当たっている。

 打力向上のため、14年オフのフェニックス・リーグから打撃フォームの改良に取り組んでいる。「一軍のベンチでいろいろな選手のスイングを見ている中で、打率を残している選手はムダな動きが少ないことに気づいたんです。フォームを根本から変えるわけではないんですが、ムダを省き、最短距離でバットを出すことを意識した方が打率が上がるんじゃないかと思ったんです」。シンプルなスイングを追い求めて試行錯誤している。

 もちろん、守備もおろそかにはしない。「自分のアピールポイントは守備。バッティングの向上が課題だけど、バッティングの練習だけやって守備が落ちたら意味がない。まずは守備で勝負したい」と意気込む。基本に忠実な守備は、名手・宮本慎也氏も認めるほど。打力に磨きがかかれば、定位置獲得も決して夢ではない。
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