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浦野博司投手・1年間、激戦の先発陣の軸として

 



 落ち着き払った淡々とした姿からは、気負いはみじんも感じられない。プロ2年目を迎えた浦野博司が、自然体で始動した。年末年始を郷里の静岡で過ごし、1月6日から千葉・鎌ケ谷の二軍施設で、本格的な自主トレをスタートした。初詣で絵馬に記したのは「ケガなく1年間やる」とだけ。簡単そうに見えて難しいが、クリアできれば2年目のジンクス打破が、自ずと見えてくる。

 さらなる躍動の芽は十分にある。ルーキーイヤーの昨季は7勝4敗で新人王争いにも参戦する堂々の成績を残した。ポストシーズンでも先発ローテーションの1人として活躍。あと一歩で逃しはしたが、日本シリーズに進出していれば第1戦の先発に予定されていた。大一番の初戦に大抜てきされるほど少しずつ評価を高め、欠かせない戦力となった。

 今季も、栗山監督が早くも先発陣の候補の1人に名前を挙げるほど。「浦野がどこまでできるか。オレはできると思っている」。激しい競争が予想される中で、大谷とメンドーサ、吉川らとともに、指揮官が名指しで構想の1人と想定している。本人も自覚は十分だ。「優勝したいです。昨年のポストシーズンは悔しかった。あの悔しさを晴らすのは、あの場しかない」

 心機一転の発奮材料もある。昨年のクリスマスイブに愛知学院大時代から交際していた一般女性と結婚。諸条件がそろい、今季への誓いを新たにした。「野手や、後ろで投げてくれた投手の方に感謝したい。来年はもっと勝たないといけないし、試合を作りたい。2ケタは勝ちたい」。寡黙な職人肌タイプだが投球全般の精度、総合力は抜群。不安より、期待を背負って決意の1年に臨む。
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